この記事では、PoS(プルーフ・オブ・ステーク)をコンセンサスアルゴリムにもつアルトコインの抱えるリスクについて記載しています。
目次
PoS(プルーフ・オブ・ステーク)とは?
PoS(プルーフ・オブ・ステーク)とは、コンセンサスアルゴリムの1つで、通貨の保有量が多いほどブロックを生成できる確率(発言権)が高まるシステムです。
ビットコインなどで使用されるPoW(プルーフ・オブ・ワーク)に対して、
- 計算量の競争が起きない
- 取引遅延が起きにくい
- マイニングコストが低い
- 報酬が将来的に漸減しない
という特徴があるため、最近では多くのアルトコインが採用するようになっています。
コンセンサスアルゴリズムは別途こちらの記事で比較していますので、興味があれば見てみてください。
▶︎アルトコインのコンセンサスアルゴリズムの種類・特徴・比較
私自身もPoSが持つ特徴はメリットが大きく将来性もあると考えていますが、PoSをコンセンサスアルゴリズムとするアルトコインに投資する前には注意したい点があります。
それが、
コイン所有比率
です。
特にICOなどで投資する際には十分に注意する必要があります。
最初のブロックが生まれる瞬間に誰が所有しているかが大事
PoS系のアルトコインで注視したいのが、最初のブロックが生成される瞬間に誰が所有しているかということです。
PoWでは、誰もコインを保有していない0の状態からスタートするのに対して、
PoSでは、誰かがコインを保有した状態からスタートします。
それぞれのアルゴリズムでブロック生成を成功確率を上げるには、
- PoW:たくさん計算する
- PoS:コインをたくさん保有する
というのが大事になります。
つまり、PoWではたくさんの計算をして最初に答えを見つけた人が承認するのに対して、PoSではコイン保有量に応じた確率によって承認者がランダムに選定されます。
ここで重要な点は、PoSでは誰かが最初からコインを保有していないとブロック承認がされないということです。
つまり開発者がかなりの枚数を保有した状態からスタートするのです。このことはどんなことに繋がるかを次の項目で考えてみます。
PoSは一番所有している人が儲かるシステム、ということは、、、
PoSでは、コインをステーキングすることでネットワークに参加します。
先にご紹介した通り、コインを多く保有するほど取引承認機会が増えるシステムなので、コイン保有数に応じて報酬が分配されるシステムとも言えます。
よって、PoSはコイン価値が変わらないとすると、最も多く所有している人が儲かります。
善良な開発者であった場合は、市場に流通させるコインを徐々に増加させ分散性を高めていくのですが、バリバリの悪人の場合はどうするでしょうか。
悪人にとっての最善策は、コインを価値を高くしたところで売り逃げすることです。
そこで、
- 大量のコインを無料でたくさん作る
- 上場前に有望そうな情報をたくさん流す
- 取引所に上場させて買い需要を煽る
- コイン価値が上がったところで売り逃げして終わり
ということになります。
PoSがアルトコインで採用されやすい理由の1つにはこのような背景もあるのではないでしょうか。。。
投資前には所有比率を確認する
このようなリスクを避ける1つの策としては、所有比率を確認することがあります。
これを確認する方法は、
- コインのホワイトペーパーを見る
- コインのHPを見る
というのが一般的な方法だと思います。
例えば、Cardano(カルダノ)は、発行上限が約450億ADAであり、市場最大流通量が約320億ADA(71%)、ステーキング報酬用が約130億ADA(29%)という仕様です。
この320億枚の分配方法はやや特殊ではありましたが、
- 250億枚が上場前にアジアでバウチャー販売(流通量の約80%)
- 残りを関連団体が保有(IOHK, Emurgo, Cardano Foundation)
という形になりました。
市場流通量の80%がアジアに偏った形で配布されたのは議論を呼びましたが、発行に関連している団体の保有比率を公開し、比率も高くなりすぎないようになっています。
現在は多くのアドレスに分散されてきているようです。
このようにコインの所有比率を理解した上で、投資判断を行った方がリスクを回避できます。
アルトコイン選別の1つに所有比率を
この記事では、PoS系のアルトコイン投資で注意したいこととして、コイン所有比率について言及しました。
アルトコインはほとんどが草コインと呼ばれる、価値があるのかないのかわからないようなコインです。
最初から無くなっても良いという考えなら良いのですが、そうではない場合、詐欺案件ではないコインを見極める必要があります。
その候補の1つとして、コインの所有比率や分配計画は十分に注視すべき項目だと考えます。
これを確認したからといってリスクが回避できるわけではないですが、できることはしておくのがこの界隈で生き残っていくために必要ではないでしょうか。
ご参考になれば幸いです。