この記事では、暗号資産(仮想通貨)の中でもアルトコイン投資の視点から見た販売所・取引所の比較をしていきます。結論だけ知りたい方は、目次からどうぞ。
目次
アルトコイン投資にオススメの販売所・取引所とは?
ビットコイン以外の暗号資産(仮想通貨)を指すアルトコイン。
販売所・取引所によって取り扱いのあるアルトコインの種類が全く異なります。
わたしが考えるアルトコイン投資における販売所・取引所の比較ポイントは下記の通りです。
アルトコイン販売所・取引所の比較ポイント
- 取り扱いコインの種類
- 手数料(取引/スプレッド・送金・出入金)
- 対象コイン取引は販売所か取引所か
この記事では2021年4月現在、金融庁・財務局より登録許可を得ている販売業者27社のうち、アルトコインの取り扱いがある22社について比較していきます。
全てを比較すると膨大になるため、上記ボックス内に記載した優先順位にしたがって絞り込みを行っていきます。
あなたにとって最適な販売所・取引所を選ぶ手助けになれば幸いです。
絞り込み1:アルトコインの数と種類の比較(22社→7社)
まずは取り扱いアルトコインの数と種類の観点で絞り込みを行います。
比較結果
数と種類の観点からは、Coincheck(コインチェック)、BitFlyer(ビットフライヤー)、GMOコインが有利。メジャー所だけならHuobi Japan、DMM bitcoin、bitbank(ビットバンク)、SEBCまで含めた7社が候補。
取り扱いアルトコイン数の比較
数が多ければいいというものでもありませんが、選択肢が多いとその後の運用に幅が出ます。
こちらが取り扱いアルトコイン数でソートしたランキングです。
数の観点からは Coincheck(コインチェック)、BitFlyer(ビットフライヤー)、GMOコイン、Zaifが特に優れていると言えます。
アルトコインの取り扱い数ランキング *右にスクロールできます。
順位 | 取り扱い数 (BTC除く) | 販売所/取引所 | 登録年月日 | 運営会社 |
---|---|---|---|---|
1 | 15 | Coincheck(コインチェック) | 19/01/11 | コインチェック株式会社 |
2 | 11 | bitFlyer(ビットフライヤー) | 17/09/29 | 株式会社bitFlyer |
2 | 11 | GMOコイン | 17/09/29 | GMOコイン株式会社 |
2 | 11 | Zaif(ザイフ) | 17/09/29 | 株式会社Zaif |
5 | 8 | Huobi Japan(フォビジャパン) | 17/09/29 | フォビジャパン株式会社 |
5 | 8 | DMM Bitcoin | 17/12/01 | 株式会社DMM Bitcoin |
5 | 8 | bitbank(ビットバンク) | 17/09/29 | ビットバンク株式会社 |
7 | 7 | SEBC(サクラエクスチェンジビットコイン) | 17/12/01 | 株式会社Xtheta |
9 | 5 | BITPOINT(ビットポイント) | 17/09/29 | 株式会社ビットポイントジャパン |
9 | 5 | BITMAX(ビットマックス) | 19/09/06 | LVC株式会社 |
11 | 4 | Liquid(リキッド) | 17/09/29 | QUOINE株式会社 |
11 | 4 | ディーカレット | 19/03/25 | 株式会社ディーカレット |
11 | 4 | *Kraken(クラーケン)の一部取引に対応 | 20/09/08 | Payward Asia株式会社 |
11 | 4 | TaoTao(タオタオ) | 17/12/01 | TaoTao株式会社 |
11 | 4 | (取り扱い準備中) | 21/02/17 | 株式会社マーキュリー |
16 | 3 | OKCOIN(オーケーコイン) | 20/03/30 | オーケーコイン・ジャパン株式会社 |
16 | 3 | BTCBOX(ビットコインボックス) | 17/09/29 | BTCボックス株式会社 |
16 | 3 | Fxcoin(FXコイン) | 19/12/24 | FXcoin株式会社 |
19 | 2 | SBI VCトレード | 17/09/29 | SBI VCトレード株式会社 |
19 | 2 | 楽天ウォレット | 19/03/25 | 楽天ウォレット株式会社 |
21 | 1 | coban取引所 | 19/09/23 | 株式会社LastRoots |
21 | 1 | CoinBest(コインベスト) | 20/09/23 | CoinBest株式会社 |
取り扱いアルトコイン種類の比較
次にランキング上位7位までについて取り扱いアルトコイン別に見てみます。
基本的には取引したいコインが含まれるかという観点でいいと思います。
このように見ると、Zaifは取り扱いコイン数は多いですが、Zaif内でのみ取り扱える独自トークンの扱いが多いようです。
つまり、種類の観点からはメジャー所に強い Coincheck(コインチェック)、BitFlyer(ビットフライヤー)、GMOコインが特に優れていると言えます。
特に、ENJ(エンジン)、LSK(リスク)、IOST(アイオーエスティー)、FCT(ファクトム)、XTZ(テゾス)を投資対象に考えている方は、候補が限定されます。
取り扱いアルトコイン一覧 *右にスクロールできます。
アイコン | コイン | Coincheck | bitFlyer | GMOコイン | Zaif | Huobi Japan | DMM Bitcoin | bitbank | SEBC |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ETH | ◉ | ◉ | ◉ | ◉ | ◉ | ◉ | ◉ | ◉ | |
ETC | ◉ | ◉ | ◉ | ||||||
BCH | ◉ | ◉ | ◉ | ◉ | ◉ | ◉ | ◉ | ||
XRP | ◉ | ◉ | ◉ | ◉ | ◉ | ◉ | ◉ | ||
LTC | ◉ | ◉ | ◉ | ◉ | ◉ | ◉ | ◉ | ◉ | |
MONA | ◉ | ◉ | ◉ | ◉ | ◉ | ◉ | |||
XLM | ◉ | ◉ | ◉ | ◉ | ◉ | ◉ | |||
XEM | ◉ | ◉ | ◉ | ◉ | ◉ | ◉ | ◉ | ||
QTM | ◉ | ◉ | ◉ | ◉ | |||||
BAT | ◉ | ◉ | ◉ | ◉ | ◉ | ||||
ENJ | ◉ | ◉ | |||||||
LSK | ◉ | ◉ | |||||||
IOST | ◉ | ||||||||
FCT | ◉ | ||||||||
XTZ | ◉ | ◉ | |||||||
OMG | ◉ | ◉ | |||||||
FSCC | ◉ | ||||||||
NCXC | ◉ | ||||||||
CICC | ◉ | ||||||||
XCP | ◉ | ||||||||
ZAIF | ◉ | ||||||||
Zen | ◉ | ||||||||
CMS | ◉ | ||||||||
HT | ◉ | ||||||||
総数 | 15 | 11 | 11 | 11 | 8 | 8 | 8 | 7 |
絞り込み2:手数料の比較(7社→4社)
比較結果
総合的に判断すると、GMOコイン、DMM bitcoinが有利。取引手数料の観点からは、上記2社に加えてCoincheck(コインチェック)、bitbank(ビットバンク)が有利。この4社に絞って比較を進める。
次に、アルトコインの取り扱い種類の多かった7つの販売所・取引所(Zaifを除く)について手数料の比較をしていきます。
しかし、一般にアルトコインの種類ごとに手数料が異なるため、横並びの比較をすることが難しいのも事実です。
そこで、全ての候補で取り扱いのあるETH(イーサリアム)を指標に比較してみます。
手数料には下記の通りいくつか種類があります。
- 取引所手数料:取引所での取引に関わる
- 販売所手数料:販売所での取引に関わる
- 出入金手数料:日本円の出入金に関わる
- 暗号資産の送金手数料:暗号資産の送付時に関わる
こちらが各手数料を比較するために一覧にしたものです。
手数料の比較 *右にスクロールできます。
手数料 | Coincheck | bitFlyer | GMOコイン | Huobi Japan | DMM Bitcoin | bitbank | SEBC |
---|---|---|---|---|---|---|---|
取引所 | Maker:0.000% Taker:0.000% | 簡単取引所 0.01-0.15% *取引量に依存 | Maker:-0.01% Taker:0.05% | Maker : 0.012-0.150% Taker : 0.036-0.150% | 無料 | Maker:-0.02% Taker:0.12% | (取次代行) |
販売所 | 基本:無料 スプレッド:0.1-5.0% | 基本:無料 スプレッド:あり(範囲の明記なし) | 基本:無料 スプレッド:あり(範囲の明記なし) | 基本:無料 スプレッド:あり(範囲の明記なし) | 基本:無料 スプレッド:あり(範囲の明記なし) | – | (取次代行) 代金の5% |
円入金 | 銀行:所定の振込手数料 コンビニ:770-1018円 ネット:770-1018円 , 50万以上は入金金額×0.11% + 495 円 | 銀行:所定の振込手数料 ネット:住信SBIは無料、他は330円 | 銀行:所定の振込手数料 ネット:無料 | 銀行:所定の振込手数料 ネット:無料(SBI/JNB) その他:695-1005円 | 銀行:所定の振込手数料 ネット:無料 | 銀行:所定の振込手数料 ネット:各自に依存 | 銀行:所定の振込手数料 ネット:各自に依存 |
円出金 | 407円 | 三井住友:220-440円 それ以外:550-770円 | 無料 | 330円 | 無料 | 550円/770円(3万円以上) | 770円 |
暗号資産入庫 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | – |
暗号資産出庫 | 0.01ETH *手数料変動あり | 0.005ETH | 無料 | 0.007ETH | 無料 | 0.005ETH | – |
各社ページ | 詳細 | 詳細 | 詳細 | 詳細 | 詳細 | 詳細 | 詳細 |
*Maker:指し値注文により板に流動性を提供した場合に適用
*Taker:すでに板に並んでいる注文を約定させるような注文をした場合に適用
取引所の手数料比較
まずは、SEBCが購入代行サービスということで候補から除外されます。金額指定で買ってくれる手軽さはありますが、手数料5%は高過ぎです。
他を見ると、Takerにマイナス手数料が導入されているGMOコイン、bitbank(ビットバンク)に分があります。次いで無料のCoincheck(コインチェック)、DMM Bitcoinですね。
基本的に取引は手数料の安い取引所で行った方が良いので、この部分の手数料は重視してみるべきだと思います。
販売所の手数料比較 (スプレッド比較)
状況によっては即時に売買が成立する販売所を利用することもあるかもしれません。そこで、販売所の売り価格と買い価格の差であるスプレッドについても確認してみます。
上記の表の通り、スプレッドは設定されているものの明確な記載はありません。
スプレッドは流動性や取引時間によって変動するため、同日同タイミングでの各販売所での価格を比較することで、違いをみてみます。
*bitbankは販売所の設置はありません。
21/03/06 22:04時点でのETHの販売所価格
円 | Coincheck | bitFlyer | GMOコイン | Huobi Japan | DMM Bitcoin |
---|---|---|---|---|---|
買い価格 | 173,238 | 173,740 | 170,694 | 171,488 | 169,527 |
売り価格 | 160,968 | 159,988 | 164,000 | 163,136 | 165,103 |
スプレッド (%仲値) | 12,270 (3.7) | 13,752 (4.1) | 6,694 (2.0) | 8,352 (2.5) | 4,424 (1.3) |
ETHに関してのスプレッドで見ると、DMM Bitcoinが最も低いようです。次いで、GMOコイン、Houbi Japan、Coincheck(コインチェック)、bitFlyer(ビットフライヤー)と続きます。
再度になりますが、販売所によって得意なコインとそうではないコインがあります。あくまでETHに対する参考値として理解してください。
その他の手数料比較
その他の手数料についてもざっくり見ておきます。
日本円の出入金手数料や暗号資産(仮想通貨)の出庫手数料に関してみても、GMOコインとDMM Bitcoinが無料設定となっています。
この2社は特に手数料の観点では他を圧倒していそうです。
絞り込み3:アルトコインの取引所対応(4社→3社)
比較結果
取引所での取引は圧倒的にbitbank(ビットバンク)が強い。銘柄によっては、Coincheck(コインチェック)しか扱えないものも。GMOコインはバランスが良い。
先に記載した通り、取引は基本的に手数料の安い取引所で実施したいところ。
しかし、アルトコインの場合はビットコインと比べてコイン流通量が少ないという背景もあり取引所がない場合もあります。
そこで、各社が取り扱うアルトコインが取引所で売買可能かを調べていきます。
こちらがその一覧です。
各社のアルトコイン購入可能場所
アイコン | コイン | Coincheck | GMOコイン | DMM Bitcoin | bitbank |
---|---|---|---|---|---|
ETH | ◉ | 取 | ◉ | 取 | |
ETC | 取 | ||||
BCH | ◉ | 取 | 取 | ||
XRP | ◉ | 取 | ◉ | 取 | |
LTC | ◉ | 取 | ◉ | 取 | |
MONA | 取 | ◉ | 取 | ||
XLM | ◉ | ◉ | ◉ | 取 | |
XEM | ◉ | ◉ | ◉ | ||
QTM | ◉ | ◉ | ◉ | 取 | |
BAT | ◉ | ◉ | ◉ | 取 | |
ENJ | ◉ | ◉ | |||
LSK | ◉ | ||||
IOST | ◉ | ||||
FCT | 取 | ||||
XTZ | ◉ | ||||
OMG | ◉ | ◉ | |||
取引所OK | 総数 | 3 | 4 | 0 | 8 |
結論:2021年に開設するならこの3社(国内)
それでは結論です。
ここまでの比較結果からそれぞれの強みが弱みが見えてきたかと思います。
2021年4月現在、アルトコイン投資をするならCoincheck(コインチェック)、GMOコイン、bitbank(ビットバンク)の3社を併用するのがベストだと思います。
3社を併用するメリットは下記の通りです。
3社併用のメリット
- 主軸はbitbank(ビットバンク)かGMOコインとし手数料を下げる
- Coincheckは種類をカバーできる
- 複数利用で価格の安い場所から購入可能
- 複数利用はセキュリティ面でもリスクヘッジになる
さらに、この3社は暗号資産レンディングに対応しており、長期視点でホールドする場合にも一定の利息を得ることが可能です。
より多くの種類のアルトコインを投資対象にするには海外取引所に口座開設する必要があります。
▶︎アルトコイン投資でおすすめの海外取引所がBinanceである理由
ご参考になれば幸いです。
*今回の記事ではレバレッジ取引に関する情報は割愛しています。
▶︎取り扱い数トップはCoincheck(コインチェック)!!