この記事ではアルトコイン投資をメインとした取引所にBinanceがオススメされる理由を解説しています。仮想通貨販売所が運営するサイトの海外取引所比較的な記事では決められない方は参考にしてみてください。
目次
なぜアルトコイン投資で海外取引所を使いたくなるのか?
これは、国内は取り扱いコインが圧倒的に少ないからです。
アルトコインを含む暗号資産(仮想通貨)を取引する上で重要なのが取引所選びです。
国内の取引所についてはこちらの記事で22社の登録業者についてアルトコイン向けの取引所を選定しました。
上記の記事の中では、下記のような観点で比較を行いました。
アルトコイン販売所・取引所の比較ポイント
- 取り扱いコインの種類
- 手数料(取引/スプレッド・送金・出入金)
- 対象コイン取引は販売所か取引所か
ここで最も日本の弱さが出ているのが、取り扱いコイン数です。
現在4000種以上もあるアルトコインですが、国内取引所では最も多いCoincheckでも14種類しか取り扱いがありません。
特に、投資する上でリスクになるのが、2021年3月現在で時価総額TOP10に入るようなアルトコインを3種類しか投資することができないのです。
キャピタルゲインを狙う場合は、上位30-50くらいがターゲットになり得ますが、この辺りは国内取引所ではほとんど買えないのです。
このような理由で、海外取引所を検討することになります。
時価総額TOP10のアルトコインとその取り扱い
順位 | アイコン | コイン | 時価総額[兆円] | 取り扱い |
---|---|---|---|---|
1 | Ethereum/ETH | 21.2 | 海外日本 | |
2 | Tether/USDT | 4.4 | 海外 | |
3 | Binance Coin/BNB | 4.3 | 海外 | |
4 | Cardano/ADA | 4.1 | 海外 | |
5 | Polkadot/DOT | 3.2 | 海外 | |
6 | XRP/XRP | 2.7 | 海外日本 | |
7 | Uniswap/UNI | 1.6 | 海外 | |
8 | Litecoin/LTC | 1.3 | 海外日本 | |
9 | THETA/THETA | 1.3 | 海外 | |
10 | Chainlink/LINK | 1.2 | 海外 |
海外の暗号資産(仮想通貨)取引所を比較するポイントは?
比較の観点として絶対に取り入れたいのは、
- 取り扱いコインの種類
- 手数料(取引/スプレッド・送金・出入金)
ですよね。
これに加えて海外ならではの問題としては、
- リスクの高い取引所を避ける必要がある
- 日本語サポートがあるか(人による)
というのが挙げられます。
海外取引所は、日本のように最低限の整備や保護がされているとは限りませんし、万が一トラブルに巻き込まれた際に一般の投資家は資産を取り戻すのも難しいでしょう。
これらの理由から、最初からある程度のリスクを避けたいと考えるのが当然であり、これこそが海外取引所を選ぶ上で最も重視したい点とも言えます。
そこで、リスクを避ける1つの方法として考えられるのが、取引規模の大きさ・流動性の高さ・対応法定通貨の数の多さです。
それぞれ次のことを意味します。
海外取引所を選ぶ際に気にしたい点
- 取引規模 → 多くの利用者・高い流動性があるかどうか
- 流動性 → いつでも売買相手が存在するかどうか
- 対応法定通貨 → グローバル対応しているかどうか
これで絶対的にリスクが避けられるとは言い切れませんが、世界中の多くの人が使っていて、大きな規模で取引が行われている場所なら、少なくとも詐欺や破綻リスクは他より低いと考えらえるでしょう。
海外の暗号資産(仮想通貨)取引所の比較からみるBinanceが強い理由
それでは、前項で挙げた手数料を除いて取り扱いアルトコインの種類、取引規模、流動性、対応法定通貨数について比較した情報を引用します。
海外取引所の比較ランキング
理由1:取引規模が他を圧倒して最大である
これは「Volume」のカラムを見るとわかります。
Volumeは直近24時間の取引量を表しています。
Binance取引額は24時間で3兆円以上あり、取引額では2位のHoubi Globalの740億円の4倍以上の取引量があります。
また、これは偶然この24時間の取引が多かった訳ではなく、増減はあるものの同レベルを維持しています。
それだけ多くの投資家がBinanceを利用しています。
数字としても「Visits」で訪問者数が示されるように他と一桁違うことがわかります。
理由2:取り扱いコイン数が最大である
これは「Coins」「Markets」のカラムを見るとわかります。
「Coins」は単純に取り扱いコインの種類を表し、「Markets」は取引ペアを表しています。
Binanceは取り扱いコイン種類は346種、取引ペアは1151もあり、同様に2位のHoubi Globalの315種類、937ペアに対して優位性があります。
アルトコインは4000種以上ありますが、ほとんどは名も無いコインですので、Binanceではメジャーどころはほぼ網羅されていると言うのが強みです。
また取引ペアも豊富ですので、取引の幅が広がります。
理由3:流動性でもTOP
これは「Ave. Liquidity」の項目が示しています。
この数字が大きいほど流動性が高い、すなわち、多くのコインが流通していることを意味します。
ここでもBinanceが首位に君臨しています。
Binanceでは他の取引所よりもコインの取引がスムーズに行えるということです。
ただし、コイン種類ごとに流通量が違いますので、その点は自分の投資したコインを確認する必要があります。
理由4:対応法定通貨も多くグローバルな取引所
これは「Fiat Supported」を見るとわかります。
Binanceは合計で43もの法定通貨に対応しています。
最も多く対応しているのはHoubi Globalの50種類で、これに次いで世界2位の規模です。
この対応法定通貨の多さは、利用者が様々な国から流入することを意味しており、このことが取引規模の大きさ、参加者の多さ、流動性に繋がっているとも言えます。
理由5:事実上、使えるのはBinanceのみ
上4つの理由は、取引所を数字で比較しました。
実はそれ以外の要素もあるのです。
このランキングに入っている取引所のほとんどは「日本居住者」へのサービスを提供していないか、大部分のサービスが限定された形で提供されています。
例えば、ランキング上位にあるCoinbase Pro、Bitfinexは「日本居住者」へのサービスは提供しておらず、Kraken、Houbi Globalはかなりの制限があります。
Binanceの手数料とその他の機能
比較対象が消えてしまったとも言えますが、手数料やその他の点についてメリットがあるのかを確認してみます。
手数料は使い方次第
結論から言うと、使い方次第で下げることは可能です。
ただし、基本は0.1%なので設定自体は高めであると言えるでしょう。
手数料は30日間の取引量またはBinanceが発行するアルトコインであるBNBの保有量に応じて決まるシステムです。
Binanceの現物取引手数料
ランク | 30日間取引量(BTC相当) / BNB残高 | 手数料(Maker/Taker) |
VIP 0 | < 50 BTC or ≧ 0 BNB | 0.1% / 0.1% |
VIP 1 | ≧ 50 BTC & ≧ 50 BNB | 0.09% / 0.1% |
VIP 2 | ≧ 500 BTC & ≧ 200 BNB | 0.08% / 0.1% |
VIP 3 | ≧ 1500 BTC & ≧ 500 BNB | 0.07% / 0.1% |
これに加えて、手数料をBNBで支払いで25%オフにすることが可能です。
このことを考慮すると、手数料を安くする方法としては
- 一定数のBNBを保有する
- 手数料はBNBで支払う
- 取引の際はMakerになる
というのが最善で、VIP 0でも0.75%にすることが可能です。
BNB自体もアルトコイン時価総額で3位に位置し、成長しているアルトコインですので保有しながら、手数料を安くできれば一石二鳥ではあります。
詳細は公式サイトで確認できますので、ご自身の取引でメインになりそうなものは確認しておいても良いと思います。
サイトは日本語対応している
多くの海外取引所が日本語対応していない中で、2021年3月現在、Binanceは日本語対応しています。
ただし、2018年に一時的に日本語対応を辞めていたりと微妙な点は残ります。
これは2018年に金融庁から日本での登録なしに影響していたことによる警告が関係していたと思われます。
今後、日本語対応しなくなったとしても、Google翻訳でほとんど問題なく対応できること、慣れれば取引に必要な単語は理解できることから、この点は大きな問題にはならないでしょう。
インカムゲインを得るシステムが充実
取引所自体のシステムとしては、インカムゲインを得るシステムが充実しています。
インカムゲインとは、株式における配当のようなもので、所有していることによって得られる利益です。
具体的には下記のような機能に対応しています。
- Saving:貸し出しによる利率を得る
- Staking:Binanceを通してステーキングに参加する
- Liquid Swap:DEXへの流動性提供で利益を得る
こちらは代表例ですが、他にもいくつか機能があります。
このように若干手間のかかる公式サイトでのステーキングなどと比べて、気軽にコインに働いてもらうことができるというのはかなりのメリットに感じます。
Binanceを利用するデメリット
逆に、海外の取引所としてBinanceを利用するデメリットはどんなことがあるでしょう。
先に挙げた一般的なリスクの面を除けば、下記の2点が挙げられます。
- 金融庁の認可を受けていない
- 法制度の変更で利用ができなくなる可能性がある
金融庁の認可を受けていない
2021年3月現在、金融庁の登録業者リストにBinanceは登録されていません。
先にも書きましたが、この登録問題に関しては、2018年に金融庁より警告を受けており、Binance自体は日本への正式な進出は現状で考慮していないです。
金融庁に登録されていない業者との取引については、金融庁より下記のような御触れが出ています。
[参考 日本語のウェブサイトを設けていた海外事業者と取引した方向けの留意事項]
日本語ウェブサイトを設け、日本人の顧客を誘引していた者のうち、一部事業者においては、日本語ウェブサイトを閉鎖し、日本に居住する日本人との取引を停止するケースも出てきています。海外事業者に関連する取引がある場合、当該取引は、法令に適合した、法令上問題ない取引関係へと速やかに移行していただくようお願いします。
https://www.fsa.go.jp/policy/virtual_currency/index.html 金融庁HP 暗号資産に関するトラブルに御注意ください!
金融庁での登録の際の提出資料を見ると、投資家の資産保護やテロ・マネーロンダリング対策などに関して一定の基準を満たすためのものと解釈できます。
これらの基準がないということで、完全に自己責任でということになります。
ただし、これはBinanceに限ったことではないこと、登録されていれば安全かといえばそうでもないことを踏まえると自ら取れる防衛策をとっておくというのは、どこを利用しても変わりません。
法制度の変更による影響
現在は、特に制限を受けることなくBinanceを利用することができます。
しかし、いつBinanceが「日本居住者」へのサービス提供内容を変更するか分かりません。
事実、2020年1月に段階的に「日本居住者」へのサービス停止するというアナウンスがされています。(が、現状では特に制限はなく、日本語サービスも復活している状況です。)
この辺りは、国内の法整備状況に影響を受ける可能性が高いです。
現状、海外取引所の利用を100%禁止されている訳ではないと理解されている場合が多いようです。(法律の専門家ではないので、ご自身でご判断ください)
利用者側に関しても、厳密な罰則規定などができた際にはそれに従う必要があります。
これらのことを考慮すると、暗号資産周りの法律・法令はある程度理解して、最新情報を取り入れる必要があります。
Binanceでアルトコイン投資の選択肢を広げる
この記事では、海外取引所としてBinanceがなぜおすすめなのかという理由を他の海外取引所と比較しながら解説しました。
ここで挙げた理由のように、現状でアルトコインに投資するならBinance一強状態と考えています。
取引コインをより制限した形なら他にもいくつか選択肢はありますが、コイン種類・取引規模・流動性・グローバル対応、どれを見てもBinanceが強いです。
このことは、幅広く柔軟にアルトコイン投資に参加できることを意味しています。
一方で、海外取引所を利用するデメリットにも触れました。
最近の流れとしては、Krakenなどのように法令に適合した形で段階的に「日本人居住者」へのサービスを開始している場所もありますので、今後の状況は注視する必要があるでしょう。
この辺りは、ご自身でメリットとデメリットの天秤にかけてご判断頂けますと幸いです。
この記事があなたの判断に役立つことを祈っております。