この記事ではアルトコイン投資に関わるリスクをまとめています。
目次
アルトコイン投資のリスクとは?
アルトコイン投資をする上でどんなリスクがあるでしょうか。
取引所のリスクに関するページを見ると大体、網羅されているかのように見えますが、一般人サラリーマンのわたし視点でまとめてみたいと思います。
現状でわたしが認識しているリスクは大きく分けて3つあると考えています。
アルトコインのリスク
- アルトコインの特徴に依存して生じるもの
- 自分に依存して生じるもの
- 外部環境に依存して生じるもの
全てのリスクに対応することはできませんが、認識しているものに関しては自分としてどういう対策が取れるのかを検証し、備えておくことが肝要です。
アルトコインの特徴に依存して生じるもの
アルトコインを含む暗号資産(仮想通貨)は、デジタルデータであること、価値を保証する確かな後ろ盾がないこと、誰でも作れるという特徴から他の資産アセットには存在しないリスクがあります。
高い価格変動リスク(ボラティリティ)
暗号資産(仮想通貨)は1日に30-50%変動することがザラな非常に価格の変動率の高い資産です。歴史的な市場暴落イベントである2008年のリーマンショック、2020年のコロナショックでも1ヶ月で40-50%程度の下落であったことを考えるとその異常さがわかると思います。
具体例として、アルトコインで時価総額がもっとも大きいETH(イーサリアム)についてみてみます。
下記は2021年3月15日時点の直近1ヶ月の価格変動です。
1日では最大10-20%の変動、1ヶ月内では最大40-50%の変動がありました。
アルトコインの中で時価総額トップのコインでもこのような値動きなので、他のアルトコインに関してはさらに変動率が大きくなる傾向にあります。
このような値動きが大きいと将来予測が立てにくく、ちょっとの機会損失で大きく損失を出してしまう可能性を秘めています。
また、日常的に価格が気になり過ぎてしまうと、安定した生活も送りにくくなると個人的には感じます。
アルトコイン価格の変動要因は色々ありますが、特にビットコイン関連情報には連動する傾向にあり、また影響力のある個人の発言によっても大きく変動するといった特徴があります。
アルトコインのボラティリティ比較についてはこちらにまとめました。
流動性リスク
流動性リスクとは、そのアルトコイン自体の流通量が低いことによって、自分が売り買いしたいタイミングで取引が成立しないリスクのことです。
流動性は、時価総額・一日の取引量・取引所の規模などで判断されます。
例えば、その市場規模を表す時価総額を暗号資産(仮想通貨)の代表であるビットコインと比較してみます。
暗号資産(仮想通貨)の時価総額ランキング(2021年3月時点)
この通り、アルトコインでもっとも時価総額の高いETH(イーサリアム)でもBTC(ビットコイン)の20%程度であり、他のアルトコインについては5%にも満たないのが現状です。
このことからアルトコインの中で特に時価総額の低いものを選ぶ場合は、価格が急激に変動した時、自分の思うように売買できない可能性があることを想定しておく必要があります。
ハッキングリスク
ハッキングリスクとは、デジタルデータである暗号資産(仮想通貨)が悪意のある第三者のハッキングにより盗難されてしまうリスクのことです。
ハッキングの対象は、コインが集まっていることが知られている取引所がメインですが、個人のウォレットも狙われる危険性があります。
実際、過去には取引所のハッキングにより顧客/取引所管理のコインが消失しています。
発生年 | 取引所 | 被害額 |
---|---|---|
2014 | Mt.Gox | 75万BTC(約480億円)と預金(約28億円) |
2018 | Coincheck | 5億2300万XEM(約580億円) |
2019 | Upbit | 34万2000ETH(約53億円) |
2020 | KuCoin | BTCやETHを含む約280億円 |
上記は規模の比較的大きなものを記載しましたが数十億規模の資産流出事件は年に数件は起きている状況です。
安全性が担保されている謳われていても取引所を管理しているのは人間。
特に取引所は流動性を担保するためにリアルタイムで取引データを記録するわけではないので、このようなことが発生しやすくなります。
こういった点からコールドウォレットを利用した管理や信頼性の高い取引所を選択するということが求められています。
自分に依存して生じるもの
アルトコイン管理においては、自らの不注意や知識不足により大切な資産を失ってしまうリスクがあります。
紛失リスク
デジタルアセットであるが故になくしてしまうこと場合です。
- 自分のウォレットの秘密鍵を紛失・忘れる
- デジタルウォレットを作っている媒体(PC・スマホ)の破損
- ハードウェアウォレット(USB)などを紛失する
- ペーパーウォレットが劣化により解読不能
- 資産移動の際にアドレスを誤入力してしまう
ウォレットにはそれぞれメリット・デメリットがあります。
特徴を理解した上で適切な方法を選択し、大切な資産を失わないように注意しましょう。
納税関連のリスク
暗号資産(仮想通貨)では、株式のように特定口座がないため、一定の条件を満たす場合は確定申告が必要です。
適切に実施しないと脱税になってしまったり、多額の追徴課税の対象となってしまうリスクがあります。
また、税金の仕組みを理解していないと所得税に加えて、翌年の住民税によって破産してしまうリスクがあり、利益確定時には十分に注意する必要です。(実際、このようなケースが2017年に多く発生したそうです。)
不明な点があれば、管轄の税務署か税理士に問い合わせるのが確実です。
また、国税庁のHPで最新情報に基づいて確認するようにしましょう。
確定申告を確実に行うためにツールを利用するのも1つの選択肢です。
外部環境に依存して生じるもの
アルトコインを含む暗号資産(仮想通貨)は未だ発展途上であり、そのシステムを適切に運用するための制度が整っていません。それ故に如何ともし難い事象が発生する危険性があります。(暗号資産のコンセプトとしては管理者がいないことが1つのメリットであるわけですが。。。)
国による規制の変化
株式や不動産は投資対象として長年の積み上げがあり、十分に環境が整っているのに対し、暗号資産(仮想通貨)はまだその途上にあります。
発展途上の資産はマネーロンダリングやテロ資金供与に悪用される可能性があり、各国でもそれに対する規制をせざるを得ない状況です。
また、税制についても短い歴史の中で決められたものなので、今後より不利な状況に変わる可能性も否定できません。
これまでには下記のような変遷を辿っています。
年 | 日本での出来事 |
---|---|
2014 | 仮想通貨が消費税の対象となる。 |
2015 | 世界各国の取引所で登録・免許制導入開始。本人確認も義務化。 |
2017 | 改正資金決済法の施行。仮想通貨が所得税の対象となる。 |
2017 | 消費税法施行令の改正。仮想通貨が消費税の対象外となる。 |
2019 | 改正資金決済法・金融商品取引法の改正。預かりだけでも免許対象に。仮想通貨➡︎暗号資産と変更。 |
また、海外の規制状況も暗号資産(仮想通貨)の価値には大きな影響を与えます。
実際に、中国で2017年にICOとビットコイン取引所の運営を規制した際には、そのニュースを受けて大きく価格が下落するということが起きています。
このように、国内外の規制の変化は資産価値や管理方法に対して大きく影響するリスクを孕んでいます。
詐欺案件
アルトコインはある程度の知識があれば誰でも作ることができること、資金調達のためのICO(Initial Coin Offering, 新規公開暗号資産)の規制がゆるいことから、詐欺目的で新たなコイン発行が行われる場合があります。
というか、現状ではアルトコインの多くはこの可能性があると見るべきです。
例えば、いかにも魅力的なプロジェクトに見せかけて、新たなトークンと引き換えにBTCやETHなどを集め、ある程度価値が上昇しそうという期待感を持たせたところで、発行者が消えるというものなどがあります。
ICOは当たれば莫大な利益を得られる可能性がありますが、素人が得られる情報ではほぼ博打に近くなると思われます。よほど信頼性が高い場合や、失ってもいい覚悟でやる以外はなしかなというのが個人見解です。
取引所の破綻リスク
自分の資産を預けている取引所が破綻することによって、資産を失うリスクがあります。
実際には、ハッキングによる資産流出・国の規制変更によって取引所が破綻・閉鎖するということが起きています。
それ故に取引所も一定のレベルを満たす場所を選ぶ必要があるのです。
国内の場合は、最低限、金融庁・財務局より登録許可を得ている販売業者を選ぶようにしましょう。
最新の登録業者については、金融庁HPより確認できます。
2021年3月時点で上記の登録業者よりアルトコイン投資向きの取引所比較をしてみましたので、まだ口座開設をしていない方は参考にしてみてください。
リスクを理解して投資をしよう
この記事では、個人がアルトコイン投資をする場合のリスクについてまとめました。
初めから全てをカバーすることは難しいかもしれません。
しかし、少しずつでも意識すれば最悪のケースを回避できる可能性は高まります。
投資はノーリスク・ノーリターン。
考えうるリスクはしっかり把握した上で、大切な資産を運用していきましょう。
ここで記載したものは私自身が調べ、考えたことを記載しています。
情報の正確性には注意をしていますが、これらの情報の正確性や信頼性を担保するものは何もないという点にはご注意いただき、くれぐれもご自身で最新情報を確認の上、投資判断を行ってください。