アルトコインの保管方法の比較

この記事ではアルトコインの保管方法の種類について特徴の比較を行なっています。

なぜ、アルトコインの保管方法を検討する必要があるか?

その理由は、大切な自分の資産を盗難から守るためです

これまで株式投資をしてきた方は、証券口座で管理してもらえていたと思います。

しかし、アルトコインを含む暗号資産(仮想通貨)は、デジタルデータであるという特性上、他の資産アセットとは異なるリスクが存在しています。

実際、ハッキングにより過去に何度も取引所から資産が盗難されるという事件がおきています。

ハッキングによる取引所被害の例

発生年取引所被害額
2014Mt.Gox75万BTC(約480億円)と預金(約28億円)
2018Coincheck5億2300万XEM(約580億円)
2019Upbit34万2000ETH(約53億円)
2020KuCoinBTCやETHを含む約280億円

リスクが高まる1つの要因は、取引所ウォレットは常にインターネットに接続されている状態にあることです。

2019年の改正資金決済法で、暗号資産交換業者に対し、業務の円滑な遂行等のために必要なものを除き、顧客の暗号資産を信頼性の高い方法で管理することが義務づけられました。(国内登録業者が対象)

しかし、これでも完全ではないということを肝に命じ、セキュリティが高い取引所を選ぶことだけでなく、自分でコインを管理することが重要になってきます。

アルトコインの4種類の保管方法

アルトコインの保管方法はインターネット接続の有無と物理的な特徴の違いによって、大きく4種類に分類されます。

アルトコインの保管方法

インターネット接続があるものをホットウォレット、逆にないものをコールドウォレットと呼びます。

ホットウォレットの中には、取引所ウォレット、アプリやWebサービスを指すソフトウェアウォレットが含まれます。ソフトウェアウォレットの中には使い方によって、インターネット接続がほぼない状態で管理可能ですが、ここでは簡素化のため省略しています。

一方でコールドウォレットの中には、USBなどのハードウェアウォレット、紙媒体のペーパーウォレットがあります。

各ウォレットの保管原理を下記にまとめました。

各ウォレットの保管原理の違い *右にスライドできます。

ウォレットタイプ保管原理
取引所ホット取引所が持つアカウントで一括管理 (取引所管理コインの一部を個人分として表示)。
ソフトウェアホットソフト/Webアプリ内で管理。秘密鍵の保管方法は様々で注意が必要。
ハードウェアコールドPCの専用アプリとハードウェア内の秘密鍵で管理。
ペーパーコールドアドレスと秘密鍵を紙に印刷して管理。

理解は必須ではないですが、これを理解していることで無用なリスクを避けることができます。

例えば、取引所を使うことは暗号化技術で最も重要な秘密鍵を自分で管理しておらず、登録交換業者に預けている状態とも言えます。取引所のセキュリティを議論する以前に、根本的なリスクの高さが分かると思います。

また、ハードウェアウォレットで管理している場合、秘密鍵を入力する状況は滅多にありません。外部に秘密鍵の情報を与えることは、そのハードウェアを持っていること自体の意味がなくなると言う意味が分かると思います。

アルトコインの保管方法の特徴比較

それでは上記の保管方法を比較していきます。

比較のポイントは、

  1. 利用方法・利便性
  2. セキュリティ
  3. 保管できるアルトコインの種類

です。

何を優先させるかは、個人の投資スタイルに依存すると思いますので、あなたが何を大事にして投資するかを思い浮かべなから優先順位をつけてくれたら幸いです。

各ウォレットの利用方法・利便性

ウォレットの利用方法は各媒体によって異なります。

基本的にはホットウォレットの方がすぐに利用でき利便性は高いです。

それぞれの特徴を一覧にしました。

各ウォレットの利用方法と利便性の比較 *右にスライドできます。

ウォレットタイプ利用方法利便性
取引所ホットログインのみでOK◎取引所が健在な限りいつでも利用可能
ソフトウェアホットダウンロード(PC・スマホ)で利用可能
WebアプリはログインのみでOK
◎オンライン状態でいつでも利用可能
ハードウェアコールドPCアプリとハードウェアを連携させることで利用可能◯USB等の準備が必要
ペーパーコールド直接印刷やQRコードの読み取り。使い切り。×入力の手間など使い勝手は悪い

各ウォレットのセキュリティ比較

続いてセキュリティについて比較します。

基本的にはコールドウォレットの方がオフライン管理できるのでセキュリティが高いです。

各ウォレットのセキュリティ比較 *右にスライドできます。

ウォレットタイプセキュリティ
取引所ホット△最もハッキングリスクが高い。管理面の人為的なリスクもあり。
ソフトウェアホット△基本オンライン管理。ソフトウェア・アプリのセキュリティレベルは様々。
ハードウェアコールド◯基本オフライン管理。送受信時のみネット環境のあるPCへ接続。
ペーパーコールド◎ハッキングリスクなし。物理的破損がなければほぼ完璧。

注意していただきたいのはホットウォレットのセキュリティ面です。特にソフトウェアウォレット(PC・スマホアプリ、Webアプリ)は、それぞれのソフトによってセキュリティレベルは異なります

ソフトウェアウォレットのセキュリティに関する用語をまとめてみましたので、検討するウォレットでどう使われているかみ見ているものいいかもしれません。

セキュリティ関連用語

  • 二段階認証:個人で設定したID・パスワードに加えて、SMSコード・Google Authenticatorなどでワンタイムパスワードを利用してセキュリティを高める。
  • 階層的決定性:1つの「シード (Seed) 」と呼ばれる値から秘密鍵を生成し、階層構造を用いて管理する方法。ログインするたびにアドレスが変わる。
  • バックアップフレーズ:12または24の単語で構成される。ウォレットを復元するためのバックアップなどに用いられる。
  • マルチシグ:トランザクションの承認に複数のキーを要求する方法。
  • 秘密鍵の保管場所:低セキュリティのものはweb上で管理されている。

各ウォレットの対応アルトコイン比較

最後に取り扱いアルトコインの種類について比較します。

各ウォレットのセキュリティ比較 *右にスライドできます。

ウォレット対応アルトコイン数対応アルトコインの種類
取引所国内:1-15、海外:1-698取引所が対応しているものに限る。国内取引所はこちらでチェック。
ソフトウェアデスクトップ:基本1対1対応
アプリ:1-数百
使用アプリによって大きく差がある。
ハードウェア1305-1649*多くのアルトコインに対応している場合が多い。
ペーパー個別に確認の必要あり個別に確認の必要あり
*Ledger および Trezor 対応分をカウント(2021年3月17日時点)

2021年3月17日現在の情報です。

国内ではCoincheckの15種類が最大、海外ではHotbitの697が最大でした。

個人で取り扱うコインの種類はそんなに多くないはずなので、単純に数の多さで選ぶというよりは投資対象コインの取り扱いやアップデートによる対象コインの変化などを参考に決めるのが良いと思います。

自分にあった保管方法を選ぼう

ここではアルトコインの保管方法について、その分類に基づき、利便性、セキュリティ、対応コインの種類という観点で比較しました。

これらを参考にどのジャンルの保管方法を選択するのかを考えていただけたら幸いです。

例えば、わたしの場合は下記のようなざっくりとこんな投資スタイルです。

  • 複数のアルトコインを投資対象にする
  • 基本ホールドで超短期売買はしない
  • 長期保有分はステーキングなどで運用する
  • 短期でヘッジすることはある

そして、自分では取引所ウォレットとソフトウェアウォレット(SafePal)、USBタイプのハードウェアウォレット(Nano Ledger S)を併用しています。

今のところこれで不都合は生じておらず、ある程度の安心も得られていると考えています。

あなたも自分にあった保管方法を見つけて、良い投資生活を送れることを祈っております。

最後まで記事を読んでいただき、誠にありがとうございます。「役にたったよ」と感じて頂けたら、下記クリックでこのブログを応援して頂けないでしょうか。
にほんブログ村 投資ブログ 仮想通貨投資へ
あなたのクリックがわたしの励みになります!